🩺【かぜ症候群について】
【かぜ症候群とは】
かぜ症候群とは、ウイルスによって起こる鼻・喉・気管支の急性炎症の総称です。
鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、痰、発熱などの症状が出ます。
多くは自然に改善しますが、正しく評価することで肺炎や細菌感染などを見逃さずに適切な対応ができます。
【かぜ症状の出方について】
症状は大きく次の3つに分けられます。
・鼻症状(鼻水、鼻づまり)
・喉症状(喉の痛み、違和感)
・咳症状(咳、痰)
発症して3日以内はウイルス性のことがほとんどで、対症療法を中心に行います。
【初期の診察で確認すること】
・喉の痛みが「ごっくん」で悪化するか
・咳をした時に喉が痛むか
・喉の腫れや白い膿の有無
・胸の音
・酸素の値
・発熱の経過
肺炎や細菌性の咽頭炎を見逃さないためのポイントです。
【風邪薬について】
かぜの薬はあくまで症状を和らげるためのものです。
鼻・喉・咳など「上位2症状」を中心に薬を組み合わせて処方します。
抗生剤はウイルスには効かないため、必要と判断したケースで使用します。
【どの症状に注意すべきか(重要ポイント)】
かぜ症候群に紛れて重大な病気が隠れている場合があり、「Red flag(注意が必要な症状)」を見落とさないことが重要です。
【発熱に伴う注意症状 Red flag sign 】
・悪寒戦慄(止められない震え)
・息苦しさ
・強い関節痛
・嘔吐を伴う強い喉の痛み
・意識がぼんやりする
これらは細菌感染や肺炎、稀に重症感染症のサインの場合があります。
【鼻症状が中心の場合】
鼻水が透明でさらさらの場合はウイルス性やアレルギーのことが多いです。
【細菌性副鼻腔炎】を疑うのは次のようなときです。
・症状が7日以上続く
・黄色や緑の鼻汁
・片側の頬の痛み
・発熱が続く
これらの場合は抗生剤が必要になることがあります。
【喉の痛みが中心の場合】
喉の風邪の多くはウイルス性ですが、次のような場合は注意が必要です。
「Red flag(注意が必要な症状)」
・唾を飲むと強く痛む
・口が開きにくい
・喉の見た目は軽いのに痛みが強い
・食事ができないほどの痛み
・発熱が強い
これらは、扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎など重症の可能性があります。
【溶連菌感染症の可能性】
以下に当てはまる時は溶連菌の検査を行います。
・発熱
・咳がない
・前頚部リンパ節の圧痛
・白苔のある扁桃炎
・年齢が3〜14歳
項目が多いほど溶連菌の可能性が上がります。
【咳が中心の場合】
ウイルス性の咳は1〜2週間続くことがありますが、次の場合は注意が必要です。
・悪寒戦慄を伴う発熱
・2峰性(いったん良くなり再び悪化)
・息苦しさ
・3日以上の発熱
・咳だけでなく関節痛や発疹がある
肺炎やマイコプラズマの可能性を確認します(レントゲンや採血)。
【発熱+頭痛の場合】
・首の痛みを伴う
・頭痛が突然出現
・光がまぶしい
・動くと悪化する
髄膜炎の可能性があるため、改善しない場合は早めの受診が必要です。
【発熱+腹痛・下痢の場合】
嘔吐や腹痛は「すべてが胃腸炎とは限りません」。
次の場合は別の病気を疑います。
・嘔気のみが24時間続く
・下痢が全くない
・強い腹痛
・38度以上の発熱が続く
虫垂炎や腸炎などを除外するための検査(エコーやレントゲン、採血・検尿など)が必要です。
【高齢者の発熱の場合】
高齢者では典型的な症状が出にくく、風邪と思われる症状が重症感染症のことがあります。
ぐったり感が強い場合は早めに受診しましょう。
【治療について】
かぜ症候群の治療は次の通りです。
・解熱鎮痛薬
・咳止め・痰の薬
・鼻水、鼻づまりの薬
・喉の痛みの薬
・水分補給、休養
・症状に応じて抗生剤(細菌性が疑われる場合のみ)
症状に応じて最適な組み合わせで処方します。
【受診の目安】
・高熱が続く
・呼吸が苦しい
・3週間以上咳が続く
・ぐったりしている
・喉の痛みが強い
・鼻症状が長引く
・腹痛や嘔吐が強い
・高齢者、基礎疾患がある
症状が強い場合や長引く場合は早めに相談してください。

