【緊張型頭痛について】
緊張型頭痛は、日本で最も多い頭痛で、
「締め付けられるような痛み」「重だるい痛み」が特徴です。
肩こり・首のこり・姿勢の悪さ・ストレスが原因で起こります。
しかし、緊張型頭痛と思っていたものが
実際には片頭痛だったり、両者が重なっているケースも多く、
慎重な見極めが必要です。
【症状】
・頭全体の締め付け
・重だるい痛み
・肩こり・首こり
・目の疲れ
・長時間のデスクワークで悪化
・動作で痛みが強まらない
【緊張型頭痛が片頭痛化することがある】
日常診療で非常に多いのが、
「緊張型頭痛と思っていたら、片頭痛が混ざっていた」というケースです。
緊張型頭痛 → 片頭痛へ移行する理由には、
・首肩の緊張が続く
・筋緊張により三叉神経領域が刺激される
・ストレスや睡眠不足が続く
・鉄欠乏症やうつ状態の併発
などがあります。
【片頭痛化しているサイン】
次の特徴が出始めたら、緊張型ではなく片頭痛が動き始めている可能性があります。
・ズキズキする痛みに変わってきた
・音や光が気になる
・気圧で悪化する
・吐き気を伴う
・動くと悪化する(階段でズキッとする)
・頭振りテストで響く痛みが出る
・アロディニア(触れると痛い)が出る
こうしたサインがある場合は、
緊張型頭痛の治療だけでは改善が難しいことが多いです。
【抑うつ状態が隠れている場合も多い】
緊張型頭痛は、抑うつ状態を背景に持つ方が非常に多いことが知られています。
・朝から頭痛がある
・日中はだるく、夕方になると少し軽くなる
・肩こりが常に強い
・眠りが浅い
・思考がネガティブになりやすい
頭痛の治療がうまくいかない場合、
抑うつ・不安症状が背景にあることも少なくありません。
【鑑別が重要な病気】
緊張型頭痛に似ているが、見逃してはいけない病気があります。
【椎骨動脈解離】
・後頭部〜首の強い痛み
・突然の痛み
・片側の頚部痛
・動くと悪化
・めまい、ふらつき
緊張型頭痛と症状が似ることがあるため注意が必要です。
【後頭神経痛】
・後頭部に電撃のような痛み
・触ると痛い点(圧痛点)がある
・首を動かすとピリッとくる
・片側のことが多い
首の筋緊張にも似ていますが、痛み方が全く異なります。
【睡眠時無呼吸症候群(OSA)との関連】
緊張型頭痛のように見えて、
実は睡眠時無呼吸症候群の早朝頭痛というケースも頻繁にあります。
・朝起きたときの頭痛
・日中の眠気
・いびき
・睡眠の質の低下
・肥満・高血圧の合併
OSAは頭痛の原因になるため、適切な検査が必要です。
【診断】
・問診(痛みの性質、頻度、生活背景)
・肩こり・首こりの評価
・姿勢の評価
・眼精疲労の確認
・頚椎症の有無
・睡眠の質の確認
・必要に応じて血液検査(鉄欠乏、甲状腺など)
・危険な頭痛の除外(神経学的所見)
片頭痛が混ざっている場合や、OSAが疑われる場合は
追加評価が重要になります。
【治療】
・まずは原因検索(除外診断)
・鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)
・筋緊張を和らげる薬
・漢方薬
・頚椎症の治療
・肩こり改善(理学療法)
・姿勢指導
・ストレッチ・温熱療法
・ストレスケア
・睡眠の質改善
・必要に応じて片頭痛治療薬(トリプタンやCGRP薬)
「緊張型だけ」と思い込まず、
片頭痛化・うつ状態・OSA・頚椎症をまとめて評価することが重要です。
【受診をおすすめする方】
・頭痛が慢性的に続く
・肩こりが常にある
・片頭痛の特徴が混ざっている
・朝の頭痛が強い
・トリプタンが効かない
・めまい、ふらつきがある
・頚椎症がある
・いびきや日中の眠気がある
・不安感や気分の落ち込みがある
多くの要因が絡むため、丁寧な診察が大切です。

