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舌下免疫療法 Q&A
Q1. アレルゲン免疫療法とは何でしょうか?
A1. 減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、カラダをアレルゲンに慣らしていき、アレルギー症状を和らげていく治療法です。アレルゲンは抗原とも言われアレルギーを引き起こす原因となるものです(ハウスダストやダニ、スギやヒノキなど)。舌下免疫療法で対象となるアレルゲンはダニとスギ類です。
Q2. 舌下免疫療法のメリットは何でしょうか?
A2. 花粉症とダニによる通年性鼻炎に対して、唯一根治が期待できる治療法です。例え根治に至らなくとも軽症化によって薬の量が減らせたり日常の生活の支障度を改善できる可能性があります。また治療終了後も一定の効果が持続します。スギ・ヒノキによる花粉症、ダニ抗原が関連したアレルギー性鼻炎のほかアレルギー結膜炎、喘息にも効果があるとされています。注射で治療する皮下免疫療法と異なり、注射の痛みがなく自宅で服用できます。
Q3. 舌下免疫療法のデメリットは何でしょうか?
A3. 即効性は期待できません。一般的には効果はおおよそ3ヶ月後くらいから出る方が多いです。またすべての方に有効というわけではないようです。治療期間は3-5年程度かかり毎日の治療の継続が必要です。効果の持続は3年の治療で7年程度。4-5年の治療だと8年程度の効果の持続が期待できるとされています。免疫療法の奏功機序から薬剤に対する急性の過敏反応(アナフィラキシー)を生じ、ショックなどを起こす可能性がないとは言えません。そのため、処方は舌下免疫療法について一定の研修を受けた医師のみが行うことができ、初回の服薬は院内で行うこととなっています。
Q4. この治療法はすべての花粉症の方が受けられますか?
A4. 医療安全のため、重症の気管支喘息の方や妊娠期間中の妊婦には行えません。
Q5. 年齢制限はありますか?
A5. 年齢にかかわらず、小児から使用可能です。しかし、乳幼児では薬剤の舌下保持(溶けるまで1分以上舌下に保持が難しく、さらにしばらく運動を控える必要があるため、5歳以降で指示に従えることができれば可能と考えられます。
Q6. 副作用は何ですか?
A6. 重大な副作用としてショックやアナフィラキシーが報告されています。
重大ではないが、比較的頻度の多い副作用としては口内炎、舌の下の腫れ、口腔内の腫れ、喉の痒み、耳の痒みなどが報告されています。
Q7. 治療の費用は高いですか?
A7. この治療は保険が使えます。子供さんの場合ではさらに行政からの補助による医療費減免があるため、進学や就業されるまでになるべく早めに治療を行うことが、生活や学業のしやすさ、費用負担的にはおすすめです。一般の方はクリニックでの治療費と薬代と合わせて1ヵ月あたり3,000~4,000円の負担(保険適応3割負担の場合の場合)になります。
Q8. この治療はいつから開始したら良いですか?
A8. ダニによるアレルギー性鼻炎の方はいつでも開始できます。スギとヒノキの花粉症の方は花粉飛散時期には開始はできないため、スギとヒノキの花粉シーズンがおわってからの治療開始となりますので、6月から12月に治療を開始するのが望ましいです。
Q9. 舌下免疫治療中にアレルギー性鼻炎、結膜炎などの症状が出た場合には、抗アレルギー薬を服用して良いですか?
A9. 舌下免疫療法の効果がしっかりでるまでは、しばしば併用薬として使用します。
Q10. スギ花粉とダニの舌下免疫療法を一緒に開始できますか?
A10. 併用は可能です。しかし、より安全に行うためアレルギークラスの低いほうから行います。1ヶ月以上経過して問題がないのを確認してから、2種類目の舌下免疫療法を追加します。例えば、最初は朝にダニ、夕方にスギを投与し、1ヶ月程度問題がないことを確認してから同時間帯に5分間隔で両方を服用します。
Q11. 喉のイガイガ感や口内炎などの重篤ではない副作用が出る場合はどうしましょうか?
A10. 口内炎が出ている期間は休薬しましょう。また風邪などで咽頭炎や扁桃炎を生じた際や体調が悪い時には休薬しましょう。舌下免疫療法によって喉のイガイガ感や口内炎が繰り返して出る場合には「減量・吐き出し法」などによる服用を指導しています。詳しくは医師・看護師までご連絡ください。